新燃岳の降灰を掃く地元の人が、噴火も鳥インフルも人間への警告ーと話す静かさは、驚き騒ぐ驚く都会人に、生活への原点を促す。

講座を終えて外に出ると薄暮が冷たい。同じ教室で学んだ大学生が、勉强の価値を知る市民に会えたと語る姿が心を暖める。学長の手渡し修了書に若人の気持が刻まれる。

奮発する。電子辞書を買う。気力がみなぎる。言葉の森が呼んでいる。今年こそ。マイニューイヤーズ レゾリューション。音声も聞こえる。

まぶしい目になる日差しを受けて、等身大のわたしより長ーくなった面白い影を歩道に見て、何歳になっても成長出来ると意味付けて、大寒の中を行く。

いろんな色のドッット柄マスキングテープが好き。紙製だからどんな場面もすぐ剥がせて跡が残らない。心の古い傷口にもそっと寄り添って、ただのテープじゃない。

ひときわ強い風がおこり、大人になりすぎた古い殻が剥がれて新成人の輪へ。老若男女に示された傾聴ルールで、一瞬のうちにきらきら輝く気配を感じる。

雪の霊峰富士が堂々とそびえ立つのを、初詣の電車から見る。あの世とこの世の人びとに不動の姿を見せ、真っ直ぐ新年の心にグイっと来る。