2010-01-01から1年間の記事一覧

にわ

次のW杯オランダ戦も

ブブゼラが轟く南アの大地に降り立つやた烏は、日本代表を守り勝利へ導いた。続く戦もやた烏が、無数の私たちの身体ネットを激しく揺らせて、と祈ってる。

あじさい

家の塀に公園の紫陽花が顔を出す。もらって活けると、水色の手鞠のような花房に硬めの茎が、はじまる梅雨期を鮮やかに支える構えだ。

東京18区菅直人「地元総理」

駅前で演説を繰り返した若き日の菅さん。胸に赤いバラと白いスーツ姿が脳裏に浮かぶ。眞のリーダーへと変貌して、もう一度日本をやり直してほしい。世界がニッポンを見ている。

いいな赤ちゃんの時

すっぽりくるまれた赤ちゃんの、薄い髪と小さな手が母親の胸に密着している。見つめるうちに至福の時の分け前に預かる。あぁもう駅に着いてしまう。降りなくちゃ。

肉じゃが

気分を変えて、黄金比という味付けの肉じゃがを作る。ごはんとよく合うこの和の味付けは、思いと政策リアリズムにも利くのかしら。

政権交代時代

「5月末」は混沌の海辺に来てしまった。行きつ戻りつ夏がきて、秋にたどり着く海のかなたに、新しい水平線を見てみたい。

5月吉日

どんな香水よりかぐわしい緑の滴が、わたしのたましいに降り注ぐ。5月のある日こんな近い遊歩道で、不意を打つ生きた証の出来事。

クツなおしのお兄さん

目の前で若い店員はクツなおしの工程を、生き物さながら丁寧に実行する。額に汗した立ち姿に、背筋をきっぱり伸ばさずにいられない。

電車の中で

電車を降りるとき、振り向き手を振ってくれた朝鮮人学校の小学生。考えた末に学校名を告げた女の子。静かな知識人と話したようなぎゅっと詰まった数分に、ランドセル姿が残像となる。

宋廟の案内人

伝統とモダンのソウル空間に、宋廟が朝鮮王朝を語る。うつむきがちな我々に若い女性ガイドの簡潔な眼差しは、ともに明日をみる力になる。京都での留学ご縁がうれしい。

韓国の世界遺産

かけ足で縦断した韓国の6つの世界遺産に日本のルーツをみる。古墳は緑滴り、春でも夏でもない5月の風薫るなか、遠い昔にかいだような匂いがして涙ぐむ。

菖蒲湯

色々な自分がいて色々な入浴剤を使うが、青々と根付き葉の浮く菖蒲湯は、清々しくどの自分にも丁寧に生きたいと思わせる。

友からの花束

チューリップもスモーキーなパステルカーの花々も丈長の麦も、友の畑で視線を注がれた。花瓶いっぱいの花が、精を出して花やいで華やぐ。

空豆

太いさやのまま焼いた空豆が、しじまを破って翡翠のように現れる。塩をまぶし、友との語らいに割って入る。

幸せな桜木

気になる満開後の桜に足を運ぶ。立ち位置の幸運で、切られない枝々を自在に伸ばす幸せな木は、遊歩道の人も幸せにする。

緑の勢い

にわかに空間が立て込んできた。樹木の緑は、風も雨も4月の雪も夏日も何もかも、自然のきまぐれ力を糧にして、踏ん張りながら勢いを増す。

デジタルカメラ入門講座

はじめの一歩からデジカメを習う。微細な四角の画素から光源を合わせ、順光・逆光・斜光と遊びながら、人生ゲームのデジカメデビューする。

けやきの若葉

見上げた欅の若葉が、グレイッシュの空に花模様のレースを広げ、薄日にちらちらする。大木も知らない新年度の四季物語がスタートした。

井上ひさしさんを悼む

井上ひさし氏とかつての仕事の代表は、90年代に「農業が大事」と出会う。折々、作家の言葉の誠実に触れた秘書の私がいた。奇しくも3年前に逝った上司と井上氏は同じご命日で、在りし日の向き合う二人の姿が、花散らしの雨の中に立ち上がる。

キッチンの仕分け

キッチンの仕分けがあり、素早く出る料理道具が台所仕事を刷新する。手近にあるものを、とにかくやってみるもんだ。

桜の姿

オープンしたスーパーへ急ぐ途中、誘い出す脇の遊歩道に1本の大きな桜が待ってた。光陰のやがて枯れもせず若ぶりもせずの姿に、とろけて解ける。

言葉の力

地方のカルチャー教室に学ぶ友の作品集が届く。共振する言葉の力は、4月1日のドアを押す。向こう側の美しい世界に憧れて、冒険家になる。

お相撲さん

日本人のお相撲さんが恋しいが、外国出の力士は輝く体躯の肌から、流暢な日本語で母語のように話す。国語教育の技能賞は国技にかかわる皆のものだ。

卒業アルバム

昔のポストを彷彿させる「ポスト型スティックのり」。これを電子糊にして心のアルバムを張り直す。尖がっていた青春時代の昭和が静まって水色風景へ。きっと卒業アルバムも。

春嵐

雨上がりの朝、家の周りを掃除していると、飛び散った枝葉に悩んだ自分の欠けらも混じって、春嵐はどこか憎めない。

赤ちゃんの手

覆われたベビーカーから赤ちゃんの左手が覗く。爪をつけたちっちゃな物体が、ふわふわ動くだけで、柔らかい気持ちがずっと一緒の電車の中。

花粉症なの

枝越しの青空の陽気が、歩道までみなぎる。大きな木の花芽を見上げては、何度も花粉のつらさを払いのけ、すっくと立つ。