2012-01-01から1年間の記事一覧
梅雨の晴れ間は忙しい。身体の手洗いに心のへこみの天日干し。ウォーキングでは肢体をゆったり伸ばすコツを、雨をいっぱい吸った葉や花や木から教えてもらうから。
天安門広場の観光記念写真。映像で馴染みの世界最大の広場は、眼前で普段の感覚を消し去る。北京のモダンと歴史の巨大な集合体に13億の民。先週、弾けた個人がじわじわ来る。
息を整え万里の長城・八達嶺に踏ん張り立つ。真夏日の暑さとひんやりとした風が茫茫と吹き抜け、賑わう観光客は消える。険しい地勢の盛観をただただ感じ入る。謝謝。
真綿に包まれたそら豆が固い円筒形のさやから弾き出て、茹でると翡翠の緑色が甘味を届ける。友が家庭菜園で数年も挑戦した物語る作物だ。
一日の始まりはコップ一杯の白湯から。今年の冬の或る日、図書館の雑誌が身体の叫びに答える。継続の先は「ムンクの叫び」でないと確かに感じる。
友に頼まれて「さようなら原発」の署名をご近所にお願いする。普段はない思いがけない会話が弾み、居合わせる時のご褒美は、今日の金環日食のようだ。
昨年末ベランダに置いたままの、鉢植え苺の実がほんのり色づく。雷も嵐も超えて、密かにイチゴデスと存在してカワイイ。もうじき食べちゃう。
近くの新しい店へ。桜の花びらから天然の酵母を培養したパンを買いに。薫風にキラキラする葉桜の佇まいも入り込む、フランスパン風のあんパンを頬張る。
遊歩道に連なり彩る花つつじ。上からでも下からでもなく見る位置は、人への視線もそれがいいと、花に寄り添い心地良さを確かめる。
五月が渡る時のしじまに、ざっとこれで良しと思ってみる。もっとと望むより今をつなぎ持つ力の何かを、新しく暮らしに生かしてみる。
やっぱりウォーキングと緑の道を進めば、工事音が途切れ玉川上水のせせらぎにはっとする。わずかに流れる音が、3.11後の身体の隙間に入り込みサラサラ流れるような。
現場はまだ見上げるクレーンがある中、南北通路・新改札口が現れる。最寄りの駅なのに旅に出ているようで、人生のカンバスの余白に何色か置きたい気分だ。
池の水面に散り始めた桜の枝が頬ずりしている。混みあう公園で親しい友との会話に「首都直下地震」登場。欲しいのは来年の掻い掘りで一層爽やかな緑の風のスカーフ。
市民参加型の開講日の衝撃から1年。帰省中の学生何人かが東北から戻ってない事実。地域の大学の顔も名前も知らない若者が、桜の季節にあらわれていのちについて問いかける。
昨日まで裸の枝を空に投げてたが今日の欅の芽吹きよ。街路樹を覆う萌色が広がる中、木は木を始めることを忘れないから面白い、と歩く足が軽やかに。
極地の春に氷が割れて川が動き出す瞬間は、身体を衝くような感覚が走る。驚きが止まらない壮大な自然の映像は、日本と英国の力合わせシリーズだ。
4月の始まりにラジオ英会話。Really? Really.耳目、目、脳のキザなエクササイズを続けるべく、体操教室は重要な場となる。
水色の空に待ちきれない少数が開花した近くの桜木。先触れから本番の時へ自覚して身体を向ければ、さあと何やら招かれてる気配だ。
折りしもウグイスが鳴きはじめた。市街地のほのかな響きで、もう一度としばし待つ。春一番が吹かずじまいだったので、挨拶回りに多忙なのか。
後ろ向き視線だ。わずらわせる春風だが、定点観測と移動点観測から自分地点の記録をみれば、ささやかな前向き視線の瞬間は見える。
紅梅を青いガラスの一輪挿しに活ける。顔を寄せるとズームアップした梅一式が香りながら、辺りをオキュパイ(占拠)すると印象的な言葉で呼びかける。
新しモン好きだ。プチヴェールという姿カワイイ新しい野菜だ。芽キャベツとケールの かけ合わせだ。さっと茹でるだけの柔らかい甘みが今日の幸せだ。
道すがら「この樹木は道路工事により伐採されます」と。ならばなぜ「東日本は地球工事のため破壊されます」と公示されなかったのか。これからどう大自然と共に歩めばよいのか。
紙質の良い封筒と同じ模様の便箋に手書きの文字。親しい友の姿が瞬時に伝わる。返事はメールでなくて手紙にすれば、なんだか優しい気分になれる。待ってて。
ブロッコリーや小松菜やカボチャらをオリーブ油で蒸すだけの一品の美味しさ。野菜だけの静かさが、小寒い日の気持ちを温めて、自分が自分に繋がっていく。
久しぶりの淡雪に和む間も無く、強めの揺れが流氷のように近づいて、身体のコアが軋む。記憶が平になるまで、だましだまし待つ。
飛び越えられない程の大きな水溜りは、土の歩道の真ん中。空に剥きだしの枝を広げる桜木が映る。風はまだ冷たく汚泥の水面は悲しくも、上澄みに咲き姿を見せる。
友からの手紙と小冊子「原子力発電のミニ手引書」は、アメリカ議事録に似ておののきふるえる。天が与えた課題に、先ずは自分の甘い判断を捨ててぶよっと感の腹くくる。
庭の白梅の春が遅い。早く来てと願いつつ、元気印だった友の近況と重なる。黄緑色の蕾が、きわまる寒さの中へ兆す何かを見逃すまい。
海綿スポンジのように吸い寄せるまちのスタイリッシュな図書館。ゲートを通ると、目前のカフェの香ばしいざわめきが、知らない者どうしをパッチワークしてしまう。